作品名:SPIEGEL EI(シュピーゲルアイ)
使用ツール:WOLF RPGエディター
屋敷の中と鏡の中、二つの世界を探索する
謎解き系のサイコアドベンチャーです。
※このゲームはホラーではありませんが、
一部プレイヤーの不安を煽る演出があります。
苦手なかたはご注意ください。
ゲームポイント
○プレイ時間:1.5~2時間程度
○エンディング数:5つ
[SPIEGEL EI]の詳細
- 頒布形態
- フリーウェア
- カテゴリ
- アドベンチャー・ノベル
- 年齢制限
- 全年齢
- 対応OS
- 2000 XP Vista 7 8
- 制作者
- タオ
- 本体サイズ
- 102MB
- Version
- 1.02
- 最終更新日
- 2016年2月 5日
- お気に入り
- 票38票
プレイ後の感想です。
◆総評:賛否両論な作品だろう。
詳しく説明するならば、完成されてはいるけれど製作者のゲーム制作技術不足(と一先ず仮定する)で面白さが削がれており、プレイヤーはその部分をこの作品への「愛」で補うしかないからである。なので、キャラクターのビジュアルやキャラ性が好みだ、とか、このゲームの世界観や雰囲気がとても好みだ、とか、とにかく引き込まれてドンドンプレイしたくなった、とか、そういった「愛」が無ければプレイし続けるのは苦しくなるかもしれない。散りばめられた謎解きの難易度が高いという訳ではない(閃きは必要だが)そのせいでプレイが苦しくなる訳ではない。ただただ製作者の技術不足か、プレイヤーの事を想ってゲームを作っていない(もしくはそういう風に上手く作れなかった、作る知識が無い)、作って丸投げ、という様に捉えられてもおかしくない作品になっている。次の項目で詳細の説明をする。
◆細かな評価の詳細
【シナリオ&ストーリー】まず、一生懸命設定などは製作者の頭の中やもしくは製作ノートや資料などにまとめてあるのだろう。しかし、ゲームをプレイしていく中でその魅力的なシナリオやストーリーがはっきりとダイレクトには演出されていない様に感じた。なので結局、その魅せ方に対しプレイヤーが「好き」と思えばハマるし、「好ましくない」と感じるとドンドンつまらなく感じる。これは、製作者は頑張って作ったが、演出しきれていない、上手く伝えることが出来ていない、と仮定するとプレイヤーが「読み取る」しかない為、プレイヤーによってここの評価が分かれるのは当たり前の事である。せっかくここまで作りこみがあるシナリオやストーリーなのなら、もう少し上手く魅せて貰えたらもっとこのゲームは多くのプレイヤーの心を打ったかもしれないな、惜しいな、という気持ちになったのでこの評価とさせて貰った。
【グラフィック】
まずキャラクターイラストが可愛らしい。やや造形が技術不足ではあるがこれはこれで味があって可愛らしいと感じた。フリーゲームならではの背伸びしない造形が他の商業ゲームや洗練されたインディーズゲーム等には求めていないので、フリーゲームならではの良さがあって評価できる。こういうのでいいんだよ、こういうので。
演出は、正直物足りない。もう少しドットのキャラクターやオブジェクトなどに動的な動きがあった方が何があったか、もっとプレイヤーが感じ取ることが出来ると思う。頑張っているとは思うが、あともうちょっと頑張ったらもっと良くなるのになあ、と思ってしまった。
マップ画面は、フリーのマップチップも交えつつといった感じだが、雰囲気はあるが、その次のステップにはいけていないという印象。また、人によっては目が痛くなるし、どこが通行出来て、どこが通行出来ないのかが分かりづらい、これは普通にプレイヤーはストレスを感じる為、もう少し上手い魅せ方やアイディアが必要だったと思う。可愛らしい雰囲気はとても良かった。
【サウンド】フリーの音楽を上手く使っていると思う、世界観にとても合っていた。ただそこ止まりではある。なので平均的な評価とさせて頂いた。後は、SE(効果音)の使い方がややミスマッチで、何が鳴ったのかよく分からない演出が多かった。音でも情報が得られるこうした探索系のゲームでそこはもう少し上手く演出して欲しかったなという気持ちになった。
【システム】全体的なシステムは平均並み。発想やアイディアは頑張っているけれどそれを技術面に落とし込めていない部分がとてもある。そして、プレイヤーへの配慮も余り無いため技術的にそこが出来なかったのか、製作者に考えが無いのかそこは分からない。例えば探索系のキャラ操作型のゲームではプレイヤーはよくマップを行ったり来たりするためそこでストレスを感じない為の何かしらの工夫が必要となってくる。このゲームにはそれが無い。(例:歩行速度を上げるシステムやポイントまで瞬間的に移動できるシステム等)他にも色々、システム技術的に出来たであろう部分が余り出来ていない。単純なWolfRPGエディターの基本的なシステムを組み合わせたり、他人が開発したであろうコモンシステムを利用しただけのような本当に単純な技術の貼り合わせで作られたものだと分かる。それでも面白いフリーゲームは世にたくさん出ている。ストレスなく遊べるかと評価基準にあるが、これをストレスなく遊ぶことはおおむねのプレイヤーは出来ないのではないだろうか、というのが私の評価であるので、評価なしとした。
【オリジナリティ】
可愛らしいビジュアル、これがこのゲームの一番のオリジナリティだと思う。それが織りなすこの世界観がとても魅力的だとは思う。ただ、他に独創性があるかと言われると余りない、設定やシナリオ、キャラクターも言ってしまえばよくあるものではある。プレイヤーを意識させるメタ的な要素も、海外ではよくある要素ではある。散りばめられた謎解きも、普通の知識とちょっとした閃きか探索する努力があればクリアできるし、この程度のリドルはよくある種類のもので、なぞなぞが好きなプレイヤーは「あ、こういうタイプの謎解きかな」とすぐに取り組める(すぐに分かるわけではないが)なので、ここにも余り独創性はない。平均的だと思う。結果的に、全体的に独オリジナリティが突出しているわけではない為、物珍しさを求めるプレイヤーには物足りなささえあるだろう。
◆まとめ
ここまで目を通して下さってありがとう。ここまで読んでくれたなら、このゲームを少しでも気になっているという事だと思う。なら、フリーゲームなのだし、ダウンロードして触ってみたらいいと思う。少し触ってみて、好きになれたなら、このゲームの良い部分があなたにピッタリだったのだから。フリーゲームの良さはプレイする手軽さにあると思う。遊んで良かったな、自分にはイマイチだったな、それを決めるのは遊んだ貴方が決める事だから。そしてプレイしてみて、こういう風に感じた、と思った部分があったらそれをこうして誰かと共有したらいい。それがフリーゲームの良さだよね。総評は終わりです。
◆オマケ:こうだったらいいなあっと思ったこと
これが世界観に浸れるお散歩系のゲームだったら、もっとこの世界観を自由きままに楽しめたなと思う。そうすれば、製作者も難しい技術を使わずにもっと自分の持っている世界観をプレイヤーと共有できたのではないかな。リドル(謎解き)もありきたりのものではなく、もっとこの世界観に合ったものを独自で構築したらもっとこの世界はさらに好きな人が増える気がしたよ。この製作者が次回作を作るなら、自分の武器をもっと前面に押し出してくれるようなものが見たいなと思いました。
あ、そうだな
ストーリー、BGM、キャラクターの個性やデザイン、謎、全てが素晴らしい。フリーなのが申し訳ないくらい…
出来ればどの場面にどのBGMが使われているか知りたい。(もう一度ゲームの感傷に浸れるので)(せめて、せめて孤児院の廊下で流れているポップ気味なBGMだけでも…!)
音楽の卵というサイトの「ひとりぼっち」という曲です。
名曲ですね。
本当にフリーなのか!?って思うほど凄いです!私的にもっと色んな人にも知って欲しいゲームです
難易度高くてギブアップ。
攻略に手間がかかりすぎて話に入り込めない。
ストーリーと登場人物の設定がありえない偶然もしくは奇跡的に出来上がったのではないかと思うほど、巧く全てが繋がっている。本当にただただ偶然なのではないかと疑うほどに……。
これが意図的に創り上げたものとは思えない。
これほどのピースを一つの物語のストーリーに繋ぎ合わせて、取り入れるというのは、かなりの海外の文化や歴史、習慣、娯楽までもの知識が要されると思います。
そんな作者の知識量にだただた圧倒されてしまう作品でした。
何週かプレイをした後でも、こちらが何か知識を得る度に何度も驚きを与えてくれるゲームです。