オシチヤ
一人と一匹が駆け巡る純和風の謎解きアドベンチャー
79.4点
少女と妖怪がお化け屋敷からの脱出を目指す和風テイストあふれる異色のアドベンチャーゲーム。
少女が目を覚ますとそこは妖怪ひしめくお化け屋敷であった。不安に駆られ部屋を飛び出した少女の前に突然一匹の小さな獣が現れる。彼の名は妖怪「すねこすり」。突然の妖怪の出現に戸惑った少女であったが話を聞くうちに彼も外へ出たがっている様子。思惑が一致した彼らはひとまず屋敷の出口を目指すことに。ここから物語は始まる。
少女は妖怪に見つかってしまうと襲われてしまうが、書物やタンスや祠など高い所を調べたり道具を使うことができる。一方、すねこすりは高い所を調べたり、文字を読んだりできないが同じ住人である妖怪たちをやり過ごし、ジャンプを駆使して障害物を乗り越えることができる。プレイヤーは全く異なった特徴を持った彼らを上手く活かして怪物を欺き、障害を乗り越える必要がある。
舞台となる屋敷内にはいたるところに謎解きがちりばめられている。ほとんどの場合、解き方が複数用意されており、またヒントも多く存在するためプレイヤーによって進め方が異なってくるだろう。ゲーム中ではたくさんの妖怪が登場し脱出の障害となるが、中にはすねこすりのように協力的な妖怪もおり彼らの手助けを得ることも不可欠となってくる。
また、開始早々に少女とすねこすりは「雲外鏡」によって屋敷の陰陽、すなわち表裏に分かたれる。一方が陽にいるとき、もう一方は陰に位置し、逆の場合も同様である。この雲外鏡を通してプレイヤーは少女とすねこすりを交互に操れ、また互いの世界を反転させることもここでのみ行うことができる。陰と陽それぞれが同じ屋敷であるが、間取が反転しており存在する妖怪も異なるため一見違う世界のようである。しかし陰と陽は互いに密接な関係であり、どちらか一方に変化が訪れるともう一方にも影響を及ぼす。この要素は謎解きにも深く関わってくる。
本作はイラストチップから作りこまれており、目新しい妖怪たちや所々の書物、謎解きの合間から独特の雰囲気が醸しだされており純和風の世界観を構築している点は見事である。他にも謎解きに用いる道具が豊富に用意されており、中には役に立たないような物もある。また、屋敷内で出会った妖怪はすべて書斎の妖怪図鑑に掲載され、詳しい説明をみることもできる。
これらを集めきることは本筋とは関係ないが、目に見えてアイテム欄や図鑑が埋まっていくのはプレイヤーのやりこみ心をくすぐるだろう。エンディングはストーリーの進行度合い、所持アイテム、発生イベントの具合で違ってくる。どのエンディングも非常に興味深い結末であり、一概にどれがべストエンドといえない。余力がある方は是非全てのエンディングを見ることをオススメする。
≪ Reviewer / 玉原さん ≫
- お互いの長所を活かし妖怪たちを切り抜けろ
- 中央に鎮座する「雲外鏡」 、陰陽を利用し謎を解け
- 今まで見た妖怪たちが確認できる、制覇を目指せ
このゲームのポイント
RPGツクール2000で製作
コンテストパーク2006夏 銅賞作品
前作「マヨヒガ」要プレイ推奨
プレイ時間は3時間ほど
即死あり、戦闘なし、エンディング全7種
オシチヤ
- 対応OS
- 98 Me 2000 XP
- 頒布形態
- フリーウェア
- カテゴリ
- アドベンチャー・ノベル
- 年齢制限
- 全年齢
- 制作者
- oumi
- 本体サイズ
- 3MB
- Version
- 2.05
- 最終更新日
- 2006年10月22日
- お気に入り
- 票4票
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金魚がしっかり増えてたり、完成度が高い!
1週目は知らず識らずのうちに詰んでしまって困った。
操作が複雑、だがそれが良い
システムから雰囲気、ストーリーまで完璧なゲームでした!
ここまで涙があふれるゲームは初めてです!
・シナリオ
前作マヨヒガと同じく人間と妖怪をメインに据えたシナリオ。
お七夜についての前知識は本編中で説明があるので無くても大丈夫です。
中盤まではシナリオがほとんど進みませんがENDが確定していくにつれ一気に進みます。
エンドは全部で7つ。本作にはバッドエンドは無く、ベストエンドも無い……各々が一番だと思ったエンドがベストですね。
エンド1やエンド2は涙を誘うものでしたが、私はエンド3が一番綺麗だと思います。
・グラフィック
すねこすり可愛い。妖怪のグラフィックがかなり凝ってます。
・サウンド
ほぼ無音。それ故に終盤のBGMが輝きます。
・システム
様々なイベントがあり、フルコンプするだけでも一苦労。アイテムの数がかなり多いです。
視点変更は序盤は煩わしいですがなれたらスムーズに出来ます。
フルコンプするなら攻略サイトがほぼ必須。
・総評
フリーゲームらしい名作。一周は40分程度で終わりますが、フルコンプには一日かけたぐらいボリュームがあります。
よく妖怪等の要素でホラーゲーム扱いされる作品ですが、ホラーゲームではなく妖怪ゲーや神道ゲーの方がしっくりきますね。
この作品にホラー要素を求めて期待外れで評価下げている感想を見ると悲しくなります。そこは前作も同様なんですけれど。
これをきっかけに神道に興味が湧けばあなたも立派なファンの1人。
和風な雰囲気がよく出ていて、とても面白かった!
個人的には、凝りすぎて高難易度な本作よりマヨイガの方が好きだった。
攻略サイトを見てもサクっとは終わらず。(フルコンプまで2時間ほど)
妖怪の会話パターンがもっとあればよかったなー等、クオリティが高いだけに色々と気になってしまう。