人間、誰しも人に言えない秘密を持っていると、俺は思う。
そういうわけで当然ながら俺、常磐健二にも、秘密ってのがある。
一つ目は、寮の自室の本棚、辞書のケースの中にあるDVD。
二つ目は、実はカナヅチで泳げないこと。
そして三つ目。
俺は割としょっちゅう、学生寮を抜け出して、夜の学校に忍び込んでいる――
寒さの残る三月、三年間お世話になった学校を去る日。
トラブルメーカーの幼なじみから、一通のメールが届く。
『今晩、学校に忍び込むから、健二も来るよーに』
俺は仕方なく重い腰をあげ、久々に夜の学校に忍び込んだ――
選択肢なしの一本道ノベル。
オマケ・ノベル十号記念企画「シナリオの鉄人」参加作品です。
幼なじみと夜の校舎に忍び込む
屋上で少女と知り合う
かゆいところに手の届く環境設定
タイトル画面
劇中ラジオ「グラディエイト・ジャパン」
ゲームポイント
・夜の学校お忍びADV
・プレイ時間約1時間
・システムは吉里吉里/KAGを使用
・限られた素材でシナリオを競う「シナリオの鉄人」参加作品
[Graduaters! ~グラディエイターズ!~]の詳細
- 頒布形態
- フリーウェア
- カテゴリ
- アドベンチャー・ノベル
- 年齢制限
- 全年齢
- 対応OS
- 2000 XP Vista
- 制作者
- スタジオ蜜柑
- 本体サイズ
- 27MB
- Version
- 1.01
- 最終更新日
- 2010年6月29日
- お気に入り
- 票0票
素材の少なさを考慮すると、高いレベルで全体的にまとまっている作品。随所で挿入されているラジオパートがいい隠し味になっている。
シナリオ、ストーリーは平均的。
もう少し捻りがあってもよかったとおもいます
非常に限られた素材だけで、信じられないほど深い表現をしている作品です。
三人の登場人物の細かな感情の機微が台詞の一つ、動作の一つ、間の取り方に至るまで込められているように感じます。
さらに純粋な話としての面白さはもちろん、伏線の張り方や、素材の少なさを感じさせない技法などの技術面にも大きく驚かされました。
たった一時間前後のプレイ時間の中でそれらが感じられるというだけでかなりのレベルの高さだと思います。
全体を通して語られるテーマは、実は言葉にしてしまえばわりとありがちな、あらすじとして紹介してしまうと白けてしまうようなものなのですが、作品の中で語られるのは決してそんな安易なものではありません。
三人の登場人物の言葉はどれも現実感に溢れた重みを持ってます。
個人的にもっと好きであるノベルゲームは数あれど、汎用的な技術レベルと、個人的な好みがこれだけ両方高いものはかなり少ないように思います。
この作品に感謝と、次回作に期待しております。