TRUE REMEMBRANCE-remake-
記憶を題材にした心暖まるサウンドノベル
91.2点
世の中には悲しいことが溢れていて、自ら命を絶つ人の数が増え続けている。それは"セツナ病"という病気だとされた。国は研究を重ね、セツナ病対策のために街をつくった。その造られた街に住む「黒目」は、患者の中にある辛い悲しい記憶"錆色の記憶"探して、もう二度と現れないように封じる仕事をしている。そう彼の仕事は"記憶封士"である
ある日、その"錆色の記憶"をもった「ラ」という名前の少女が「黒目」のもとにやってくる。彼女は目から絶えず涙をこぼすほどの重症患者だった。二人は"錆色の記憶"を封印するために一緒に暮らし始める。よくまとまった綺麗な文章と落ち着いたオルゴールの音色が心地よいサウンドノベル。
≪感想≫
選択肢はなく、基本的に読み進めていくだけのサウンドノベルです。ですが、章ごとに区切られたストーリーは展開力があり、文章も良くまとまっている。それに静かに奏でるオルゴールの音により、リラックスしてゲームを読み進めていくことができます。
ストーリーは「黒目」と「ラ」の日常生活の描写から、ゆっくりと落ち着いた雰囲気でゲームは進んでいきます。黒目を訪ねる患者や、他の封士たちなどの様々な出会いから、「TRUE REMEMBRANCE」(真実の記憶)といったゲーム名のとおり、後半になるにつれて真実が明らかになっていきます。この意外な真実に驚かされました。心に深く沁みこむ優しいお話。プレイし終わった後は、じわりと心暖かくなる素敵なノベルだと思います。
- 立ち絵がコロコロ変わる
- 喫茶「AROMA」でのワンシーン
- 各所にあるイベント絵も力が入ってる
このゲームのポイント
吉里吉里2/KAG3で制作
選択肢はなく、全8章からなる構成
落ち着いた世界観と心に響くストーリー
美麗なオープニングムービー
プレイ時間は3時間ほど
TRUE REMEMBRANCE-remake-
- 対応OS
- 98 Me 2000 XP
- 頒布形態
- フリーウェア
- カテゴリ
- アドベンチャー・ノベル
- 年齢制限
- 全年齢
- 制作者
- 里見しば
- 本体サイズ
- 47MB
- Version
- 1.05
- 最終更新日
- 2009年7月29日
- お気に入り
- 票15票
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何度やっても感動する。伏線の貼り方は見事としか言えない。
ノベルゲームの大御所という事で超今更ながらプレイ。ほんのちょっぴりネタバレあり。
ストーリー
人の嫌な記憶、トラウマを消す記憶封士という職業が存在する近代西洋といった感じの世界観。入り口でうーん、大丈夫か?と思うような世界観の急構築が見られたが、これは私が甘かった。全く違和感無く、整合性が取れていた。後は収支感動とニヤケと不安のオンパレード。結構長い作品だったが一切休みを入れずに読み切れた。
キャラクターもいけ好かない黒目と可愛らしいラのやり取りが個人的にはツボ。ラはどう見ても12歳ぐらいにしか見えないのだけど、設定では17歳らしい。まぁその辺は座敷牢?で閉じこめられて育ったから、あまり生育しなかったのかな、というのもあるので、一応整合性は取れてるのかしら。
グラフィック
キャラは手書き。表情なんかしっかり描けているんだけど、キャラが同じ方向を向いてる事が多いので、そこだけちょっと気になる。
サウンド
主題歌、ED歌以外はオリジナルBGMではない、と思うんだけど、この作品以外考えられないぐらいめちゃくちゃマッチしていた。
総評
評価通り、素晴らしい出来だと思う。星5が乱立する理由も頷ける。
このゲームを最初にプレイしたのは数年前、だいたい5、6年前だったと思う。それでも、作品発表からは時間が経っている。
再度プレイしてみて驚いたのが、作品の鮮やかさだ。この年月を経てもなお、新しさを感じさせるストーリーであるということに驚いた。数年を経て3回目をプレイしたことになるが、それでもなお、作品の深い味わいを楽しむことができた。
グラフィックは、現在の観点からすると、あまり良いとはいえないだろう。ただ、当時の背景を想像すると、これでもかなり秀逸なのではないかと思う。特に、表情の豊かさがある、というのは当時にしては珍しかったのではないだろうか。
当時このゲームをインストールした動機は、確か「泣けるゲームをプレイしたい」というものだったと思う。
キャラに感情移入することができれば、きっと泣けるだろう。
プレイ時間以上に密度の濃い作品。若干重みのある舞台設定なので好みが分かれるのかもしれないが、自分はその世界観に魅了された。
おすすめの一作である。
生まれてはじめて、私の涙腺を打ったフリーゲームです。
「セツナ病」と呼ばれる心の病を抱えた人々が蔓延する世界。
彼らの記憶を封じる事で病を治療する能力者「記憶封士」が集う街が舞台ですが、その中でもA級封士と呼ばれる内の一人・黒目という主人公の前に、重度のセツナ病を患う少女・ラが現れます。ふとした拍子に涙を流してしまう様な重い心の病に掛かった彼女を癒やすため、二人は共同生活を始める事になります。この少女が一体どんな心の傷を抱えているのか、この時の黒目には知る由もありませんでした。
やや重たい題材ですが、ラがとても可愛いらしく、また黒目との会話も面白いので、比較的明るく、まったりとしたムードでお話が展開していきます。
他の封士や、セツナ病患者も次々登場し、章を追うごとに二人に様々な影響を与えていくのですが、そんな中突然物語が大きく動き始め、とある人物の過去へとシーンが移ります。そこでこれまでの伏線が全て回収され、すべての真実を明らかとなった時、私は涙を零さずには居られませんでした。果たしてその先に待ち受けるのは哀しい結末なのか、それとも……。
一周読み終えたプレイヤーさんなら、きっとタイトル画面に戻った時、いつまでもボーッとそのBGMを聴いていたくなる、そんな読了感を与えられるでしょう。そして、すかさず二周目をやりたくなるのです。
この物語には選択肢も、ゲームオーバーも、ありません。いいえ、必要ありません。
もう10年以上も昔の作品になりますが、現役のWindowsでももちろん動作します。ノベルゲームが好きな方にも、食わず嫌いな方にも、出来るだけ多くの方に知ってもらいたい物語です。3DS版も出ていますが、やっぱり私はこの原作が大好きです。
分岐がないノベルなんてほぼやらなくて初めてで、面白いかなと不安なところもあったのですがたくさんの高評価に惹かれてダウンロード。ぶっ通しで読み終わりました…、とても面白かったです。立ち絵もかわいいけどイラストもそれ以上にかわいくて(;;)とても素敵な作品でした。