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ファンタジー創作者です。趣味で絵を描いたり文を書いたり、ゲームとか動画とか作ったりします。絵や文などの無断転載、無断利用禁止。
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『イヴと秘密の友達 -イヴとイマジナリーフレンド-』へのコメント(2025年6月 3日 15:09)
『手を取り合つて友と云う』へのコメント(2025年1月17日 10:31)
斯くも叮嚀な、且つ巧緻な御感想をお寄せ頂き、誠に有難う御座います。
作中の云ひ廻しは、雰圍氣作りの為の舞台裝飾のつもりでありました。
小難しい表現を使ふと、讀みづらいと嫌厭される読者樣もおられるでせうし、私自身も物語は伝わり易いのが一番と考へてゐりますので、基本は端的で砕けた文章を書きたいと心掛けてゐるのですが……。
此度は和風系の短篇、更には其れをゲームの形に落し込むといふ試みでありました故、画面を見れば分かる情景描写や世界觀說明を冗長に綴るよりも、言葉遣ひだけで空氣感を表現してみたいと思ひ、挑戰した次第です。
此の表現を面白いと感じて下さる方の目に、拙作が留まれたこと……これ程に幸運で喜ばしいことがあらうかと、作者としては感無量で御座います。
本篇はミステリーやホラー要素を中心としましたが、外伝は条太郎の掘下げを重視した靑春もので御座いました。
今も昔も、己の力で何かを突き動かさんと奮闘する若人達の情熱や鬪志は、正誤に拘らず尊いものですよね。
本作に於ける「異形」は、敢へて定義を曖昧にしてをり、クレンデルやサチコのやうな人外のことも指しますが、条太郎のやうな「当時の”普通”とは異なる思想を持つ者」のことなども包含してをりました。
平和や平等が正しいとされる價値觀は、現代日本では一應”普通”ですが、其の正義を排斥せんとする別の正義(軍國主義)が強かつた時代は、史實として存在してゐた譯であります。
果てさて、文明開化の波に呑まれて消えた異形(非科學的な存在)の如く、異端思想として追ひ遣られてしまふのは一體どちらなのでせうか──。
などと、先人達の信念と信念のぶつかり合ひに想ひを馳せながら、筆を運んでをりました。
本篇も外傳も、決してハツピーエンドとは云へない結末で御座いました。
然し、改新会の面々が見据ゑてゐた夢は、我々が生きる現代日本で、今まさに叶ひつつある途上なのではないかと思ひます。
彼等の一步一步は、決して無駄では無かつたのです。
無論、現代に於いても儘ならぬことばかりで……辛いこと、悲しいこと、苦難は數へ切れぬほどありますが、それでも、人間は過ちから多くを學ぶ生き物です。
後悔し反省し、昨日よりは明日を良くしやうと考へるのは、きつと皆共通のことですから、やはり過去よりは未來の方が明るいのだと、少なくとも私はさう信じたいのであります。
条太郎や龍之介の立場に立つて眺むれば、時代といふ名の異形に食ひ潰された學生達の物語──。
然れども、現代人の立場に戻り、ふと立ち止まつて俯瞰して見た時には、障害があればこそ未來はより明るくなつていく……其のやうな一抹の希望を抱ける作品になつてゐたら良いなと、切に願ふばかりで御座います。
……なんて、べるちゃん様のご感想に感化されて、ノリノリな返信をしてしまいました(笑)コケッ
普段はあまり書かない作風で、初ゲーム制作……調べ物や素材作りにも苦戦しつつ、ヒィヒィ言いながら完成させた作品なので、実際に近代史がお好きだという方に気に入って頂けて、本当に嬉しいです!
何度も読み返してニヤニヤさせて頂こうと思います!
重ねてありがとうございましたー!
(追伸)
頂いたご感想の文字、このレヴュー欄では新字体に変換されておりますが、通知で来たメールの文面では、潰れず旧字体のままになっておりました。
当時の物書きになった気持ちで(笑)、そちらも堪能させて頂きましたッ!
旧字体ってかっこいい!というお気持ち、めっちゃ分かります……(同志の握手)
v1.1.6の最新版を全選択肢分、プレイさせて頂きました。
海外の児童向け幻想文学っぽい牧歌的な雰囲気がありつつも、大人になってから拝読して良かったな……と思わされる作品でした。
子供の頃には見えていたはずなのに、大人になってから見失ってしまったもの、誰しもありますよね。
タイトルから、リリィさんがイマジナリーフレンドだという認識はあったものの、最初は「イヴちゃんの無垢さに絆されていく妖艶な人外お姉さん最高だぜ!」くらいの浅はかなテンションで読み進めておりました(笑)
が、後半で色々と分かってきてからは、リリィさんはイヴちゃんと全く別の存在と言えるほど遠いものではなく、イヴちゃんの深層心理から生まれた、むしろ誰よりも近い理想の別人格なんだろう、という印象に変わりました。
残酷な側面もある子供社会で、息苦しい思いをしていたイヴちゃん。
きっと、蛇の持つような迫力、恐ろしさ、蝶の持つような華やかさ、自由さを併せ持った、美しい大人に憧れていたんですよね。
また、血の繋がりのないお母さんに苦労や心配はかけまいとしていたように思いますから(お母さんは良い人だと思いますが)、何でも話せて、一緒に遊べて、いつでも味方してくれる、そんな本当のお母さんのような相手が欲しかったのかもしれません。
子供の頃に夢想したヒーローや悪役、あるいは妖精や魔女に、欲しいときに欲しいものをくれる存在の属性を重ねて想像することは、皆 経験があるように思います。
時代背景的に、イヴちゃんの振る舞いはまさしく魔に魅入られた異端の子のそれで、場合によっては罰せられる、もしくは子供のくだらない妄想だとして一蹴されるようなものだったのでしょう。
ですが、きっとイヴちゃん本人にとってはすごく大切で、成長に必要不可欠な思い出になったのではないかと思います。
イヴちゃんのお母さんやイヴちゃん自身が、そういう存在を認められる親であって良かった。
鍵本さんは音楽クリエイターさんということで、音楽も素敵でした。
個人的には『妖精と魔女』が好きです。
特に序盤は、イラストや文体からほのぼのとした空気が強かったように感じますが、リリィさんの登場と共に『妖精と魔女』が流れて、ここから一気に変調、引き込まれました。
表紙を見れば、中世ヨーロッパ風の異世界ファンタジー。
しかし、中身をのぞいてみると、現代人でも身に覚えがある、子供時代の淡い思い出をなぞったような、優しくて切ない、在るべき成長を感じる物語でした。
ありがとうございました!
【追伸】
間違えて二重でレビューしてしまって、片方削除した結果、★も消えてしまい……!
重ね重ね申し訳ありません。
ファンタジー好きな方はもちろん、幻想文学は普段読まないという方でも入り込みやすい作風、世界観で、きっと読後あたたかな気持ちになれると思います。
オススメです★★★★★