ムートン・ノワール
子どもたちが淡々と殺されるスプラッターホラー
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Q. どうしてあなたたちではなく彼らが死ぬのか。その理由を300字以内で述べよ
喜ぶといい、君たちは選ばれたのだから
学園長のシェーファーは百余名の誘拐されてきた子どもたちにそう言祝ぎました
彼らがこれから数ヶ月も軟禁される場所は地図にも載っていない山奥の廃校舎
子どもたちが逆らわないよう逃げないよう、周囲を囲うのは巨体のマネキンたち
最初に死んだのはマルテです。彼は首に縄を掛けたままギャラリーから突き落とされました
そんな中。アドルフは祈るように、自分に言い聞かせていました。
この世界に神様なんていない。この世界に物語なんて存在しない
山奥の寮学校に軟禁された百余名の男の子たちが 淡々とひたすらに殺される日常を描いたスプラッターホラーです
このゲームのポイント
プレイ時間: 2時間程度
動作: WinMac
ボイス: なし
立ち絵: なし
選択肢: なし
大量殺戮注意
注目してほしい点
子どもたちの多様な死に様、アドルフとカフカのBL、猫、大人の理不尽、ほぼ全BGMエリック・サティ楽曲
制作者メッセージ
ニュースの画面の向こうで誰かが死んでいる時、それがあなたでなく私でもない不可思議に真正面から取り組んだ物語です
結論から言えば、そこに必然なんてなく、昨日死んだのはあなたでも私でも構わなかったはずだ、と。
ただひたすらにその怖さ、虚しさ、悲しさを描きました。好まれましたら幸い
https://unclesheepclub.web.fc2.com/letters/mouton/mouton.html
更新履歴
2019/05/02 ver 1.0公開
ノワールの定義は正直、よく分からないのですが、作品全体からは正体不明の不気味さが感じられます。
かといってホラーでもない、ミステリーでもない。最初の設定からラストまでプレイヤーを引き込む腕力があります。
中盤辺りから多少、スプラッターなイベントもありますが、こちらは少々好みが分かれるかもです。ちなみに当方としましては、別に大量に惨殺されなくてもいいんじゃ……というのが個人的な感想だったりします。スプラッターが嫌いなわけではないのですが、序盤の不気味さを若干、スポイルしてるかな、と思ったもので。
ちょっとストーリーを端折りにいったのかな? という印象を受けてしまいました。マネキンさんたちのSF的な設定、描写も、少し作風とは合ってない気もしました。もちろん、これは個人的な感想です。
文字だけノベルだからなのかもしれませんが、文章も少し、冗長な気がしました。いや、内容は面白いし、ヘンな文体でもないのですが、ゲームとしてプレイする分には少し表現が固い気もした、という程度のものです。全体の完成度からすれば些細な問題です。
至って真面目に作られたノベル作品です。好きな人ならプレイして損はありません。ただ真面目なぶん、若干、人は選ぶと思います。
ムートン・ノワール読了したのでネタバレ無しで感想を書かせていただきます。
この小説を読んでいるような感覚は同サークルの「等間隔の黒い透明」のように
無機質さもありながら「人」の事を生々しく描かれていて怖くもありながら安心できるものです。
貴方そして「他人」見方によれば到底許されるものではないのかもしれませんが同時に
「そうだろう?」と無言の憤り、諦観などの感情が叩きつけられるのが快感ですらあります。
人だもの。生きていく上で自身の身に起こること、そして赤の他人やどうでもいい何かに対しての
線引きが痛快に感じられます。
見方によっては鬱ゲー、見方によっては拗らせ、しかし。共通しているものがあります。
全ての答えは最後のセリフに集約されております故、そこに辿り着いた上でご自身のアタマの中で
反芻してみるのが良いかと思います。中には「当たり前ぇじゃん!」と口にするのが聞こえてきそうです(笑)
我々は大人なのかもしれませんがソレより上の諸兄方、を中心に社会が形成されて来ました。
もちろん、我々から下の世代へと社会は当たり前のように属さなければならないコミュニティです。
そんな中、ゲームの中での内容は見えないところであったりする事実かもしれません。
そのような「何か」が起こらなくてもひっそりと黙殺されている子羊達はおります。
物理的でなくても。
この関連で同サークル様作品で「音無き世界その代わり」というゲームがございますが
そちらも個人的に推したいですね。まずは真綿に水を染み込ませる様に余計な先入観なしに読み進める事をオススメしたいです。
しかし、人は群れなければ生きていけないのであればそれはなんという罰なのでしょうか?
そんな拷問よりはこの大量殺戮を見て………
面白さの総評は意見が割れそうなので標準の星3にしました。
個人的にも星3という所ですか。展開が気になるといったものは読んでいて感じておりました。
カフカ少年、アドルフも変わった子達なのでどうなって行くのか気にさせる表現力も高いですね。
総評として主に感じるのは小説の読後感なんです。
例えばラノベの様に緩急ハッキリしていて感情の起伏が揺れるものとは違いますので
キャラの感情と盛り上がりを共有するとかではなく。
無機質、淡々としていてじっくりと事実を確認したような感覚。
あ、でも無機質だからこそのホラーな殺戮シーンはグッと来るものがありますよ!!
以上となります。
作者様の着眼点はいつも凄くて毎回楽しませていただいております。
鬱ゲー好きな方は羊おじさん倶楽部様の作品に触れてみる事を強くオススメ致します。