茜街奇譚 -Akanemachi kitan-
人と鬼とが棲む「茜街」を舞台にした現代御伽噺
78.2点
人と鬼とが棲む街の物語。現代の東京「茜街」という架空の街を舞台にした現代御伽噺。
文章力が高く、小説を読むかのように良く話のまとまった短編サウンドノベル。
≪感想≫
あまりにあれこれと書くと、先に全体像が見えてしまい、面白さが薄れると思うので、ココではあえてゲーム内容について解説しないことにしました。一言でいえば制作者の文章力が素晴らしい。理由あって、この"茜街奇譚"をプレイした時は海外放浪中でした。そのため、日本語の文章を読むのが5ヶ月ぶりで嬉しく懐かしい時だった。という事実を考慮にいれても、著名な小説家の本を読んでいるが如く、すらすらと状況が把握できて、登場人物の感情までも読み取れる文章力には驚きました。ゲーム終了後は久々に、良い小説を読んだ後の気分に浸ることが出来ました。
ストーリー構成は、読み進んでいくにつれて、後でなるほどと納得できる。解りやすくしっかりと考えられていて、つじつまが合わないという事は無かった。それほど、しっかりとした文章なので、登場人物に対する感情移入は凄まじい。その話の主人となった人物と同じく、「何があったんだろう?」と心配したり、呆れたり、愛しんだりと、自分の感情の起伏がわかるほどでした。そんなふうにして話の先が気になってしまう。最後まで一気に読ませる魅力を持っています。
現在風の受けがいい立ち絵も無く、ゲーム性の強いシステムがある訳でも無い。それでも紹介しようと思ったのは、魅力あるお話であったからに違いありません。硬派な人、一般的な人にオススメのゲームです。
- 舞台は人と鬼が棲む茜街
- 少ないが選択肢もある
- 本編を終えると登場人物の前後話などが読める
このゲームのポイント
基本的に小説を読むような文章力の高いサウンドノベル
吉里吉里2/KAG3で制作
プレイ時間は5時間ほど
茜街奇譚 -Akanemachi kitan-
- 対応OS
- 98 Me 2000 XP
- 頒布形態
- フリーウェア
- カテゴリ
- アドベンチャー・ノベル
- 年齢制限
- 全年齢
- 制作者
- 相間 直
- 本体サイズ
- 31MB
- Version
- 1.03
- 最終更新日
- 2005年1月15日
- お気に入り
- 票5票
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さすがの文章力。あっさりしているのに盛り上げるところは盛り上げる。
エンディングは複数あるがどれがハッピーエンド・バッドエンドと言い切れず、どれも考えさせられる作り。どのエンディングが好きか、一番しっくりくるかは人それぞれかと。
古い作品だが、いまだに色あせない輝きを持っている作品だと思う。
フリーのノベルとは思えない程良く作り込まれた作品。
シナリオもとても良くできており、夢中で最後まで楽しめる内容となっていました。
本当に優良作だと思います。
それ程多くのノベルゲームをプレイしてきた訳ではありませんが、現状ネットで公開されている他のフリーノベルゲームとは隔絶した出来のゲームだと感じました。
極めて完成度が高く、流れるような自然な文章は登場人物の置かれた状況、心情や場の雰囲気をプレイヤーに深く染み込ませる力があります。
立ち絵は無く、無論音声も無く、背景もぼんやりとした街の風景ばかりですが、先に述べた高い文章力と相まって想像力を掻き立てられます。
ストーリーも素晴らしい、の一言。派手さは無く、暗く物悲しいイメージ受けるかもしれませんが、人と人でないものの心の繋がりに強くスポットを当てたシナリオには深く感動させられ、ラストシーンや後日談では悲しさが尾を引くところもありながら、どこか澄み切った読後感を味わえました。
BGMもフリー素材ですが、選曲が素敵です。涙を誘われました。
最後に、人それぞれ作品に好みがあるとは思われますが、こと文章力に関してはフリーゲームでこれ以上のものを目にする事は無いかと。卓越した文章はそれだけで人の心を強く動かします。思い出に残るゲームに出会えました。
高い文章力の作品を好む人にはオススメできる。
私は小説やポエムによく見られる無駄な情景描写やまわりくどい文学表現が大嫌いなタイプなので、感動するよりむしろイライラすることのほうが多かった。
「文章力フィルター」を抜きにして考えると、主要登場人物のいずれにもあまり魅力を感じられなかったし、シナリオも盛り上がりに欠けると思う。
妖怪、奇譚という言葉に思わず反応してしまう人は楽しめると思います
あまり興味がない人でも文章はサクサク読めるし、お話自体面白いのでオススメです
間違いなく良作の部類に入るADVです