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  • 神竜王国の戦士達(体験版)へのコメント(2021年8月21日 18:16)

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    25章終了までの時点でのレビューとなります。

    ・ゲーム部分について
    面白いです。いわゆる三すくみ(武器相性)の重要度が高いなど物理武器と魔法の大きな住み分けが色濃く設定されており、単体で全て完結してしまうような味方ユニットはいないため多彩な仲間に適切な役割を与えながら駒を進めていくのが楽しいので、一日に平均3マップぐらいのペースで遊ぶぐらいにはハマりました。
    肝心の難易度に関しては、自分は初見時に軍師で24章まで進めたのですが厳密なリソース管理・経験値配分を求められる作風だと感じたため一般に変えて最初からやり直しました。
    (これは先の見えないリソース管理が苦手な自分による都合のためそういう作風を好む層には問題ないだろうということを断っておきます。
    ※実際、途中までの攻略評価も悪くなかったので単純に自分が尻込みしただけ。)

    難易度「一般」は時に躓くことさえあれど、「軍師」とは異なりターン制限が無いため気長な気持ちで挑む余地があります。ただし軍師は紹介文の通り、某エムブレムのルナティックに匹敵する難易度を誇ります。その手の最も難しいとよく評される作品の最高難易度を10周クリアした自分でもそれを上回っていると感じました。
    軍師では24章までしかプレイしておりませんが、作者様が何度も繰り返し遊んだ上での調整をされているため。極力理不尽さを取っ払った満足感を得られる高難易度というのは保証できるレベルです。
    ただし「〇〇ターンまでに」「この行動を取ってしまった場合」など、マップ毎に状況が悪化する条件が設定されていて破ってしまうと攻略が非常に厳しくなりこうなってしまうと突破は極めて困難になってしまいますのでご注意を。

    ・シナリオ部分について

    正直に抱いた感想は「総合的には面白くもつまらなくもない」というところでした。
    テキストの方向性としては、王道と丁重さに重きを置かれていて味方全員どころか敵キャラを含めてもストレスを感じるようなキャラクターは一切存在しません。そのため安心して読めます。
    しかし、良くも悪くも毒や捻りが一切無いので殆どのキャラが無個性に映り性能ではともかく、キャラ面で強く惹かれるような個性を持つ登場人物はいませんでした。

    このゲームにはよく「高みを目指し合う剣士」「同郷の斧戦士」「忠実な騎士」などなど、様々な二人組が登場します。二人組というのはそれぞれ相反する性質のキャラとして描くことで魅力的に映るのですが、どれも口調だけが異なり双方とも同じような性格にしか見えません。
    (魔道士のポップ君は面白かったです。彼は数少ない前衛的な面白さがあります)
    上述の所感は物語の構成にも通じるところがあり、矛盾こそ無いし設定がしっかりとゲーム面にも活かされているものの、新鮮味が薄く先が気になるシナリオまでとは思いませんでした。
    それでも25章クリア後のテキストはここから第2部が始まるのか?!と言わんばかりの密度に幕引きだったり、とある分岐によって見られる主人公とヒロインの会話に関してはプロにも引けを取らない完成度だと心から思いましたし、あくまで「毒」「臭み」などが含まれていないだけで王道的な面白さは確保されています。

    しかし冗長に感じる部分が主にNPC面の会話で存在し、倒した時に特に中身も無くありきたりで長々とした散り際の台詞を殆どの敵キャラ・味方NPCが吐くためこの辺はプレイヤー目線だと雑音同然に感じました。
    敵やNPCにもそれぞれ作者の込めた思いが存在するため、濃密なドラマを展開したい気持ちはよくわかりますが、もう少し中身を伴ったテキストを当てるか、極力そぎ落とすなりした方が読みやすいしくなり理路整然とした面白さを味わえるのではないかと思います。