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『ルナスティア -忘却の少女と魔法学校-』へのコメント(2025年2月12日 13:58)
『ルナスティア -忘却の少女と魔法学校-』へのコメント(2024年12月30日 12:01)
何年か前の受賞作品『ラハと魔法の園』のシリーズの蒼木ことりさんの渾身の新作。
安定と納得のクオリティーですが、個人的に今作はラハシリーズ以上のお気に入りの一作になりそうです。
シナリオ ★★★★★
文句無し過去最高でした。
インスタっぽいSNSのフォロワーが4万超えの陽キャ主人公という、まるでアイドルの様なルナスティアの設定にストーリーの核となる重大な意図が隠されていたのは斬新でした。
終盤でルナスティアを救うために親友を操作するという展開も熱かったです。
最終章の宝箱にあった『魔法の砂時計』で時間を巻き戻した後は、様々なシーンでルナスティアの心の内が明かされます。周回でイベントに変化があるのはやりごたえがありますね。
一周目を心から楽しめたプレイヤーなら絶対に飛ばさず見て欲しい変化イベントが沢山あります。
グラフィック ★★★★★
AIを積極的にキャラグラフィックやスチルに違和感無く取り入れている作品は、フリゲ界隈ではまだ珍しい気がしました。表情の差分も多くてビジュアルが楽しいです。AIのクセなのか、男性陣は若く見えるイケメン、女性陣は若く見える美少女に偏りすぎている気がしましたが、タッチに統一感があるので許容範囲です。
サウンド ★★★★★
有償素材とフリー素材から雰囲気に合うBGMや効果音を違和感無くチョイスされていると思います。ラスボス戦の音楽が本当にカッコいいです。
システム ★★★★★
シンプルで分かりやすいです。戦闘はツクール製作品お馴染みのターン制ですが、最大ダメージがそのまま資金稼ぎになると言うのは見た事がありません。特殊なシステムと言えばほぼそれだけですが、これはストーリーに集中して欲しいという作者さんの意図である事は伝わるので、凝ったシステムや手間のかかる育成要素を入れないで正解とも言えます。
戦闘は難易度ハードでも結構簡単ですが、イベントを全部見るのは結構ハードでした。二章で話しかけておかないと後々の章でスタンプが取れないなど取り逃し注意の要素もあって、二周目は攻略サイトに頼りました。
オリジナリティ ★★★★★
某魔法学校小説のオマージュだと説明にありますが、この独特な世界観は作者の蒼木ことりさんならではのものだと思っています。洞窟攻略の授業では今回二人一組で競争が行われるのですが、ライバルの生徒が一番乗りで最深部にたどり着いていて戦っているのを見るのは楽しい演出だと思いました。主人公組だけで無く同級生組の行動も丁寧に描かれています。
総評 ★★★★★
過去の作品をいくつかプレイしましたが、今回も心に残る一作となりました。お子さんの誕生日のために作られたというエピソードもほっこりします。
蒼木ことりさんの別作品『RiSE-囚われ少女の魔法譚-』や『紅く追憶の水葬』の時に感じた事ですが、死にそうなキャラが死ななかったり、死んだキャラを生き返らせたり、死んだと思われたキャラが実は生きていたり、極力キャラクターを死なせずに気持ちよく物語を〆ようという強い想いがあるのが、とても好感が持てます。
ベアトリス関連以外は伏線をほぼほぼ回収しきっていると思いますが、一作で終わるには惜しい世界観だと思うので、是非とも続編を期待します。
以前レビューさせていただきました者です。
最近更新された追加シナリオが素晴らしかったので、追記に来ました。
ファフィ先生とヒュクロの再会が圧巻でした。
ヒュクロが十七年前から失明していた事は、追加シナリオ前から考えられていた設定だったのでしょうか?びっくりしました・・・。
ルナスティアが工房を最初に訪れた時からすでに見えなかったわけですよね。あの時は足を引きずっている様な歩き方だったので悪くしたのは足かと思ったら、まさか目の方だったとは・・・。
他にも、誰が工房に入って来たかを訪問者の声を確認してから名前を呼んでいたり、辿ってみると伏線が細かく巡らされていました。
心も体もずっと闇の中に居た彼をファフィ先生が光のある方向へと導く、それが出来るのはもちろん、他ならぬファフィ先生以外に居なかったという素敵な結末。もちろん、それをサポートしたルナスティアと、母親のそのかっこいい姿を見て「大好き!」と泣き笑いの様な顔で言った事も物凄くグッと来ました。今度こそ本当の意味でのTRUE ENDINGですね。
これで追加シナリオは最後という事なので本当に名残惜しいですが、感動のストーリーを本当にありがとうございました。