ストーリーやシナリオよりも、高い自由度を目指したロールプレイングゲーム。
一切の記憶を失わせてしまう「閉ざされた島」の海岸に倒れていた主人公。
島にはわずかながら人も住んでいるが、同様に記憶を失っており、謎を解き明かすため探索に赴く人たちもいる。主人公は彼らと同じ冒険者となり自分は何者なのか、所持していた一冊の本に書かれる「漆黒の迷宮」とは?手がかりを探しにダンジョンの奥深くへと足を踏み入れていく。
ゲーム中の大半を過ごすであろうダンジョンの数は「王の墓所」「神殿」「海岸洞窟」など非常に多く、それらが地下で複雑に絡まっていて、それぞれのダンジョンは罠や隠しアイテム、出てくるモンスターなどが異なり飽きさせない。全く別のダンジョンや町に行きたいときは、島に何十と設置されているゲートによりセーブや移動ができるようになっている。
このダンジョン探索で特に注目すべきはアイテム収集。マップ上は歩いている敵が見えるので、とてつもなく強い敵の側を避けながら突っ切り、宝が隠してある隠し扉や階段を見つけて強い武器を手に入れた時の嬉しさはこたえられない。
ネフェシエルでは主人公たちのレベルを上げるだけでは強い敵は倒せないようになっている。そこで、探索で得たアイテムが重要となる。武器の種類によって「斬撃」「刺突」「打撃」や「火」「水」「光」「闇」などの属性があり、敵により効果の高い攻撃ができる武器を装備することにより、敵とのレベル差をかなり緩和してくれるので、アイテム収集は貪欲にやっておいた方がよいだろう。敵により最適な装備の属性や相性、また装備品の付加価値などを考えてプレイするのが楽しく、ついついやり込んでしまう中毒性がある。
ストーリーやシナリオ背景はアイテムとして集まっていく本や町の人たちの会話から断片的にしか想像できないため、初めは何をすれば良いのか判らず戸惑うかもしれないが、ダンジョン探索を続けるたびにネフェシエルの世界が少しずつ見えてくるはず。だが、ストーリー云々より、高い自由度、アイテム収集の楽しさ、敵の程よい強さと魔神の技と魔法の豊富さ等、引き込まれる要素が多々ある。また、ダンジョンごとに変わるBGMは自己主張することなく、あくまでゲームミュージックであり、心地よい懐かしい感覚。あなたも気に入る曲がきっとあるはず。
右も左もわからなくても、古の時代に壺に封印された魔神と契約を結び仲間になる頃には探索も要領を得、シナリオ背景が微かにでも判ってくると、すっかりネフェシエルの虜となっているに相違ない。