季節は夏。全ての生き物達が生き生きと過ごす毎日。そしてよみがえる昔の記憶。主人公 高菜護は木下重工システム監査員。今日も暑い真夏の日差しの中出かけ
る。照りつける日差しは容赦がないが、そうもいっていられない。彼はサーバーを護り、社会のインフラを支えている。今日も早速、上司から不穏なログを渡される。同僚と相談しながら、対策を練って、解決策を見つけ出す。そして一旗あげて、たまに飲み会に付き合わされる。ごくごく普通のサラリーマン。しかしそんな彼には、大人になった今も引きずる重い心の傷があった。
高校2年生。彼は友達に助けられ、今の道を選んだ。最初は苦しいながらも、徐々に生活にも慣れ、充実した日々。
そして今、突然の非常事態が起こる。目の前で炎に追い込まれる同僚を助けられるのは、自分だけ。最後の緊急消火手段を見つけたとき、彼は水に弱い膨大なインフラと、煙の中で咳き込む彼女の命を天秤に掛ける。
「メインフレームを護るか」
「彼女を護るか」
彼はためらわずに・・・
原文:【ふらいとさん】