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『精神仕掛けの浪漫劇』へのコメント(2024年5月28日 11:35)
シナリオ・ストーリー 文章が美しいです。文学調の上品に洒落た言い回しが心地よく、頭がよくなった気持ちにさせてくれます。 決して難解な語彙を多用しているわけでも、長台詞の応酬になっているわけでもありません。「仕合わせ」「蒼蠅い」「洋巾」などの単語のディティールで、文学的な気品を出しています。 ストーリーも「大正デモクラシー」で実際に起きていた「軍事主義への反発」や「世間と自身の意思との乖離への葛藤」などが盛り込まれていました。また、ラスボスの正体も相まって「大正浪漫風演劇モチーフRPG」の謳い文句に、嘘偽りなかったと思います。 恋愛要素もあるにはありますが、各キャラの思いが真っすぐなのと、言い回しの品の良さもあって、嫌悪感なく受け入れることができました。リスペクト元と明言されている夏目漱石の作品は『こころ』しか読んだことがないですが、その中の恋情描写も学生時代にご遠慮願いたかったという人には向かないかもしれません。恋幕がまったくないわけではないので。
グラフィック 大正風のメニュー画面や戦闘背景、メッセージウインドウが素敵です。 キャラクターデザインも、西洋紳士から袴、バンカラまで、近代の浪漫が詰まっています。 必殺技のカットインも、各キャラの個性が出ていて面白いです。 W主人公の一人、椿の表情がとにかく可愛いですね。
サウンド 日常のBGMはレトロモダン、ボス戦闘はオーケストラと、メリハリがついていました。 戦闘BGMがどれも格好いいですね。特に、件の1VS1戦闘は、シチュエーションも相まって、高揚感を揺さぶられました。 通常戦闘BGMが、まさに「大正ロマン」なので、飽きずに楽しめますね。クイック戦闘のおかげで、ダンジョン後半はイントロも終わらないうちにフェードアウトするんですが。
システム ゲームバランスをどの項目に入れるか迷いましたが、こちらに。 ラスボスまでは、ほぼ完璧といってよいンバランスがとられていました。 しかし、ラスボスだけは「何をされたんだ?」「何が起こっているんだ?」と疑問符状態。 チェックコマンドを使えば敵味方の状態が見えることに気づくまで四苦八苦。 「絶対的な存在であるラスボスの「俺ルール」に振り回される」というのを、おそらく表現したかったのだと思うのですが、「そもそも何をされたのか分からない」という点が非常に残念。 繰り返しますが、ラスボス戦までは素晴らしいバランスでした。技と装備を巧く使えば稼ぎなしで突破できますし、稼ぎプレイで力押しすることもできる、幅広いユーザーに対応したバランスでした。
お金やドロップ品を獲得しつつ、格下との戦闘をスキップできる「クイック戦闘」や、自動でバフアイテムを使用してくれる「セルフドリンク」、エンカウント率やイベントスキップを調整できるオプションなど、ユーザーに寄り添ったシステムは高く評価していますので、4点としました。
オリジナリティ 大正浪漫とRPGを組み合わせただけでなく、テキストも徹底的に文学に寄せてきたところを、独創性として高く評価したいです。 テキストを文学的にするだけなら、ノベルゲームやアドベンチャーには先駆者がいると思います・・・が、それをRPGでやった、それでいて、文学を知らない人間がおいて行かれない塩梅に調整したというところのバランス感覚が優れていると思いました。
総評(おもしろさ) 最後の最後のラスボス戦で躓いたところはありますが、そこに至るまではほぼ完璧なバランスを楽しめたこと、苦労してラスボスを倒したあとのエンディングの余韻が素晴らしかったことを鑑みて、5点といたしました。 「大正浪漫風」という言葉に惹かれてプレイしましたが、その言葉に偽りのない言葉運び、グラフィックを楽しむことができました。この作品をきっかけに「近代文学調RPG」の後継者が現れてほしいと思うくらい。 素晴らしい作品をありがとうございました。
シナリオ・ストーリー
文章が美しいです。文学調の上品に洒落た言い回しが心地よく、頭がよくなった気持ちにさせてくれます。
決して難解な語彙を多用しているわけでも、長台詞の応酬になっているわけでもありません。「仕合わせ」「蒼蠅い」「洋巾」などの単語のディティールで、文学的な気品を出しています。
ストーリーも「大正デモクラシー」で実際に起きていた「軍事主義への反発」や「世間と自身の意思との乖離への葛藤」などが盛り込まれていました。また、ラスボスの正体も相まって「大正浪漫風演劇モチーフRPG」の謳い文句に、嘘偽りなかったと思います。
恋愛要素もあるにはありますが、各キャラの思いが真っすぐなのと、言い回しの品の良さもあって、嫌悪感なく受け入れることができました。リスペクト元と明言されている夏目漱石の作品は『こころ』しか読んだことがないですが、その中の恋情描写も学生時代にご遠慮願いたかったという人には向かないかもしれません。恋幕がまったくないわけではないので。
グラフィック
大正風のメニュー画面や戦闘背景、メッセージウインドウが素敵です。
キャラクターデザインも、西洋紳士から袴、バンカラまで、近代の浪漫が詰まっています。
必殺技のカットインも、各キャラの個性が出ていて面白いです。
W主人公の一人、椿の表情がとにかく可愛いですね。
サウンド
日常のBGMはレトロモダン、ボス戦闘はオーケストラと、メリハリがついていました。
戦闘BGMがどれも格好いいですね。特に、件の1VS1戦闘は、シチュエーションも相まって、高揚感を揺さぶられました。
通常戦闘BGMが、まさに「大正ロマン」なので、飽きずに楽しめますね。クイック戦闘のおかげで、ダンジョン後半はイントロも終わらないうちにフェードアウトするんですが。
システム
ゲームバランスをどの項目に入れるか迷いましたが、こちらに。
ラスボスまでは、ほぼ完璧といってよいンバランスがとられていました。
しかし、ラスボスだけは「何をされたんだ?」「何が起こっているんだ?」と疑問符状態。
チェックコマンドを使えば敵味方の状態が見えることに気づくまで四苦八苦。
「絶対的な存在であるラスボスの「俺ルール」に振り回される」というのを、おそらく表現したかったのだと思うのですが、「そもそも何をされたのか分からない」という点が非常に残念。
繰り返しますが、ラスボス戦までは素晴らしいバランスでした。技と装備を巧く使えば稼ぎなしで突破できますし、稼ぎプレイで力押しすることもできる、幅広いユーザーに対応したバランスでした。
お金やドロップ品を獲得しつつ、格下との戦闘をスキップできる「クイック戦闘」や、自動でバフアイテムを使用してくれる「セルフドリンク」、エンカウント率やイベントスキップを調整できるオプションなど、ユーザーに寄り添ったシステムは高く評価していますので、4点としました。
オリジナリティ
大正浪漫とRPGを組み合わせただけでなく、テキストも徹底的に文学に寄せてきたところを、独創性として高く評価したいです。
テキストを文学的にするだけなら、ノベルゲームやアドベンチャーには先駆者がいると思います・・・が、それをRPGでやった、それでいて、文学を知らない人間がおいて行かれない塩梅に調整したというところのバランス感覚が優れていると思いました。
総評(おもしろさ)
最後の最後のラスボス戦で躓いたところはありますが、そこに至るまではほぼ完璧なバランスを楽しめたこと、苦労してラスボスを倒したあとのエンディングの余韻が素晴らしかったことを鑑みて、5点といたしました。
「大正浪漫風」という言葉に惹かれてプレイしましたが、その言葉に偽りのない言葉運び、グラフィックを楽しむことができました。この作品をきっかけに「近代文学調RPG」の後継者が現れてほしいと思うくらい。
素晴らしい作品をありがとうございました。